超凶悪メキシコ麻薬カルテルと並んで日本のヤクザが「世界最大の国際犯罪組織」に認定。山口組・住吉会に続き、稲川会まで。遂に「日本のタブー」にアメリカ合衆国が切り込むか?

アメリカを汚染する麻薬組織の巣窟と言えば、かつてはコロンビアだったが、アメリカ麻薬取締局(DEA)の尽力によってアメリカ東南部「フロリダルート」が閉鎖されると、90年代に強大な勢力を誇ったコロンビアカルテルは衰退した。それに伴って台頭してきたのが、アメリカ西南部「メキシコルート」で急激な成長を遂げてきたメキシコの麻薬カルテルであり、現在、メキシコと国境を分けるカリフォルニア州、アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州は、アメリカ史上最悪の犯罪組織の危険に晒されている。

今ではメキシコ麻薬カルテルは、メキシコ国内の選挙や政治にまで影響力を持つほど強力な暴力組織に発展し、テキサスとの国境に近い街ヌエボ・ラレドと呼ばれる地域からカリフォルニア州南端のサンディエゴまで、米墨国境沿いの密輸ルートの重要地点を巡って、カルテル同士が激しい縄張り争いを繰り広げている。これが俗に言う「メキシコ麻薬戦争(MEXICAN DRUG WAR)」だ。これらの麻薬カルテルは、「シカリオス」として知られる暗さつ者グループからの刺客を利用したり、AR-15やAK-47のような銃器、そしてM4カービンにグレネードランチャーを装填するなどした重火器、爆弾など、軍隊並みの火力と組織力を誇る。そして、これら麻薬カルテル間の麻薬戦争による犠牲者は、2006年には2119人、2009年には6598人、2010年には1,1000人以上に達し、年々飛躍的に増加し続けている。

この犠牲者には10代をはじめとする多くの若い女性も含まれている。いまのメキシコは、誘拐だけでビジネスが成り立つと言われるほどの誘拐天国で、2008年に銃器不法所持で逮捕されたミスメキシコ3位のラウラ・スニガ ( ラウラ・エレーナ・スニガ・ウイサール Laura Elena Zúñiga Huizar )(下写真)の例にもあるように、ミスコンで優勝した女性はメキシコ-アメリカ間を自由に行き来できることから、「美しい女性」を狙っての誘拐も後を絶たない。彼らメキシコ麻薬カルテルの悪行は、アメリカ国内メディアも報道できないほど陰惨を極める。例えば、テキサスとニューメキシコとの国境近くにテリトリーを持つフアレス・カルテルは、おもに10代の女性を拉致すると、性奴隷として監禁したり、カルテルのボスに「プレゼント」として捧げるのだ。そして、用がなくなれば彼女たちの手足を切断し、臓器売買に回す。また、そのさつ害の様子を撮影した「スナッフビデオ」も高額で取引されて彼らの収入源になるという。そして、皮肉にも臓器売買の対象国はアメリカなのだ。これらはまさに「アメリカのタブー」だ。テレビでは決して見られないが、インターネットで検索すれば、吐き気をもよおすような残酷な記事や目を覆いたくなるような残忍な写真の数々に辟易するだろう。

ラウラ・エレーナ・スニガ・ウイサール

CNNなどの一般ニュースメディアでも、メキシコ麻薬カルテル戦争などはたびたび取り上げられるものの、臓器売買や麻薬戦争でのさつ戮の実態までは報道できない。その分、これまでも様々な映画の題材にもされてきた。アメリカとメキシコ間の麻薬密輸の実態を描いたスティーブン・ソダーバーグ監督の『トラフィック』(2000年)にはじまり、誘拐されたメキシコの富豪の娘を助ける元軍人であるボディーガードを描いたデンゼル・ワシントン主演の『マイ・ボディガード』(2004年)、ミスコンで優勝して家族を支える夢を持っていた女性が麻薬カルテルに拉致される『MISS BALA / 銃弾』(2011年)、また、こちらは日本未公開だが、肺移植が必要な娘のためにメキシコの臓器売買の世界へ踏み込む父親の話を描いた『インヘイル』(2010年)(下記参照)などなど、数え上げたら切がない。それだけ、アメリカにとってもメキシコ麻薬カルテルの存在は、深刻な問題だということが分かる。

実際、FBIは、現在メキシコとアメリカの国境で活動するこれらの麻薬カルテルを「アメリカの犯罪史上いかなる犯罪組織よりも危険で最も洗練された組織」であると発表している。かつてアメリカで暗躍したアル・カポネラッキー・ルチアーノミッキー・コーエンのようなマフィアを遥に凌ぐ超暴力犯罪組織、それがメキシコ麻薬カルテルなのだ。

日本人にはまるで想像のつかない世界だと思うが、私たちには馴染み深い日本の「ヤクザ」も、最近ではアメリカを舞台に想像を超えるほど悪いことばかりされているようだ。ヤクザについはテレビや映画で何となく知っているつもりでも、日本の現代ヤクザの実態は、意外と知らないものだ。

ヤクザ

実は、アメリカ政府は、2011年7月、そんなメキシコ麻薬カルテルと同列の扱いで、現在、構成員8万人を超えると言われる日本の「ヤクザ」つまり日本の指定暴力団組織を「世界最大の国際的犯罪組織」と認定して、幹部らの米国内の資産を凍結し、米国の個人、企業に取引を禁じた。その上で、今後、国をあげての「ヤクザ」制裁に乗り出すことを発表した。そして昨年2012年、日本の指定暴力団のツートップである「山口組」(上記紋章左)と「住吉会」(上記紋章中)が、公式な制裁リストの対象となったのに引き続き、昨日2013年1月23日、「稲川会」(上記紋章右)までもが制裁リスト入り。まさに日本のヤクザトップ3がアメリカ合衆国の対組織犯罪制裁リストに名を連ねたわけだ。その容疑内容として、東アジア諸国の犯罪組織と連携しての武器・銃器の密売、麻薬・ドラッグ売買、人身売買、売春などの犯罪行為のほか、ダミー企業を使って建設・不動産・金融業などに進出して不法収益を上げる「知能犯罪」を展開し、マネーロンダリングにも関与するなど、さきのメキシコ麻薬カルテルとさほど変わらない。最上部の図にもあるように、東アジアからのルートも存在するわけで、日本の指定暴力団が、これらメキシコ麻薬カルテルと何かしらの関連があると考えるのはごく自然なことだろう。

15年ほど前になるが、筆者が日本で住んでいた地元の近くには、稲川会の中核団体である山川一家の本部があり、たまたま初代総長・山川修身の葬儀の列に出くわしたことがあるが、そこで見た本物のヤクザというのは、ドラマや映画で見るような安っぽいチンピラ連中とは比較にならないほど身長も幅もデカくてかなりの威圧感があった。そんな屈強な男が何十人もずらりと並んでいる姿はまさに圧巻だった。

また、さらに遡って、80年代後半から90年代に渋谷を席巻した「宇田川警備隊」(下記写真)「バブルス」「ファンキーズ」「アリゲーターズ」「イラプション」といったチームの全盛期。はじめはファッションで始まったはずの当時のチーマーブームも、年月を経て90年代にさしかかる頃には、その後ろ盾には、港区に本拠地を置く住吉連合(現・住吉会)のような暴力団の姿が見え隠れし始めた。そして同時に、それらの若者のあいだで徐々にドラッグが流通しはじめる。ほどなくして神奈川県警が横浜港で麻薬取締りの一斉検挙を行い、売買の中心にいたと思われる若者たちが芋づる式に捕まっていった。その中には複数の高校生もいた。ちょうど俳優の○木○○が麻薬所持で逮捕されたころだ。その当時、ドラッグの入手ルートには、中国・韓国・北朝鮮・台湾・香港・フィリピンなどで密造されたアジアルートから、次第にアフリカ、中東のほか、南米ルートが比重を増えていると聞いたが、日本のヤクザと南米の麻薬カルテルの繋がりは、恐らく今にはじまったことではないのだろう。

宇田川警備隊

しかし、日本のヤクザと言えば、古くは江戸時代から、戦中戦後を経て現在にいたるまで、日本の「表」と「裏」で持ちつ持たれつやって来た部分もあり、現在でも、政界・財界・メディアだけではなく、警察との繋がりも指摘されている。例えば稲川会でいえば、現・五代目会長は、通名・清田次郎(本名・辛炳圭(シン・ビョンギュ・신병규 Sin Byon-Gyu))だが、稲川会横須賀一家の系列組員であった竹内清(前神奈川県議会議長)は、横須賀を基盤とする小泉純一郎元首相の選挙対策本部長であり、彼なくして小泉が議員に当選することはなかったという。そもそも、小泉純一郎の祖父である小泉又次郎は明治時代に横須賀を牛耳る一大軍港やくざ組織「小泉組」の長だった。その名残なのか、竹内との関係は、息子の小泉進次郎にも受け継がれ、その様子はすでに写真誌等でも報じられている。そして、この小泉親子と稲川会の関係も、日本のヤクザと政界の繋がりのほんの一例に過ぎない。

小泉進次郎と竹内清

つまりヤクザの実態を暴くということは、日本の裏社会を暴くということだ。小泉純一郎・元内閣総理大臣と竹内清氏の関係同様に、例えばさきの選挙で大敗した民主党には、在日本大韓民国民団在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総聯)と深い関係にある議員が多く、部落解放同盟朝鮮学校と癒着する日本教職員組合(日教組)も、民主党の代表的な支持母体だ。またフランス・ドイツをはじめとするヨーロッパ諸国では各政府からカルトと認定されながらもアメリカ国内ではいち仏教団体として大きな力を持つ創価学会は公明党の支持母体である。さらに創価学会の機関紙「聖教新聞」を印刷しているのは朝日新聞ほか全国紙の印刷工場であり、テレビ番組のスポンサーには、かつては深夜に制限されていたはずの「パチンコ」や「消費者金融」の名前が連なるように、これらの団体の政治やメディアへの影響力は計り知れない。そしてその裏には、つねに「ヤクザ」の存在が見え隠れする。こうした「表」と「裏」の関係には戦前からの長い歴史があり、日本政府も警察もメディアもが沈黙してきた「日本のタブー」と言える。

そして今、世界の警察・正義の味方・勧善懲悪大好きなアメリカ合衆国が、CIAが、FBIが、そんなタブーだらけの日本という国に、ついにメスを入れようとしている。そうなれば、日本という国を根本から揺るがす規模のスキャンダルがあふれ出てくることもありえない話ではない。「世界の警察」を自負するアメリカ合衆国が、メキシカン・ドラッグ・カルテルと同様に、ジャパニーズ・ヤクザの制裁に乗り出したいま、今後の動向から目が離せない。

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