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January 2016


俳優ショーン・ペン 脱獄中のメキシコ麻薬王エル・チャポに面会していた

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俳優ショーン・ペン 脱獄中のメキシコ麻薬王エル・チャポに面会していた

メキシコのエンリケ・ペニャニエト大統領が、8日、半年前に刑務所を脱獄し、逃亡を続けていた麻薬王「エル・チャポ」ことホアキン・グスマン受刑者を、北西部シナロア州ロスモチスにあるホテルで拘束したと発表したばかりだが、その脱獄中の昨年10月頃に、ハリウッド俳優のショーン・ペン氏が秘密裏に、グスマン受刑者に面会をしていたことが判明した。

これは、ローリング・ストーン誌の取材として行われたもの。6歳になって間もなく、オレンジやソフトドリンクを売り始めたグスマンだが、15歳の時には、すでにマリファナ栽培を始めており、貧しい家族が生き延びる手段が他にはなかった、と俳優ショーン・ペンに語った。「ヘロイン、メタンフェタミン、コカイン、世界中の誰よりも多く売ったよ。潜水艦の艦隊や、飛行機、トラック、ボートまで持ってるんだ。」

10億円を超えると推定されるグスマンの資産は血にまみれた暴力の結果だが、彼自身は自らを暴力的ではないという。「見てみろよ。俺がやってることは、単に自らの身を守っているだけのことさ。それ以上でも以下でもない。俺が自分から好き好んで問題を起こしたことがあるか?一度もないぜ。」7時間にも及んだ取材は、昨年10月、まだグスマンがメキシコ及びアメリカの当局から逃亡中に行われたものだ。現在、世界で最も凶悪な指名手配犯の一人であり、二度の脱獄後、シナロアの自邸で警察との銃撃戦の末、金曜日に拘束されたばかり。

最初に逮捕された直後の1993年の取材では、麻薬取引への関与を否定し、自分は農民であり、トウモロコシと豆の栽培をしていただけだと主張していたグスマン。今回の取材では、メキシコ山中のとある場所で、カルテルの軍隊100人以上に周辺の警備にあたらせ、ショーン・ペンと女優のケイト・ディロ・カステロの二人を相手にテーブルを囲んだディナーの席で行われた。

この取材を通して、昨年夏メディアを賑わせたグスマンによる脱獄劇の詳細も明らかになった。彼が刑務所のシャワー室から脱出するために作った穴と1マイルに及ぶトンネルには、約1億円の費用が掛かっていたようだ。また、この逃げ道の工事を監督したエンジニアは、研究のために、事前にドイツにまで渡っており、地底深くを逃走するために使ったバイクには、酸素吸入用の装置までつけられていたという。

昨日のメキシコ警察当局の発表によると、グスマン拘束に至った理由の一つは、グスマンが自身の人生を映画化しようと、ハリウッドの俳優や映画関係者にコンタクトをしていたことによるという。グスマン氏は、すでに刑務所にい時点で、ハリウッドから映画製作に関する多数のオファーを受けていたという。そして、グスマンは、今回の取材に参加した女優のケイト・ディロ・カステロのみを信頼していたという。彼女は以前、ツイッターでグスマンをサポートするコメントをツイートしていた。その彼女が、ペンに声を掛けたのが、今回の取材に至った経緯だったようだ。

7時間に及ぶ取材だったが、あるポイントで、インタビューは思わぬ方向に転じた。それは、ショーン・ペン氏が、共和党候補のドナルド・トランプ氏の話題を持ち出した時、つまり、トランプ氏がメキシコ系移民に対する差別的な発言をしたことを理由に、グスマン氏がトランプ氏の首に100億円の懸賞金を掛けたという噂の真相について尋ねた時だった。

「なんてこった、アミーゴッ!」と声をあげたホアキン。「アメリカ人は俺に興味があるのか?」と聞かれたペン氏が、フュージョン・チャンネルのドキュメンタリー番組『エル・カポを追いかけて』が高視聴率を取っていると答えると、大笑いをしたという。

広範にわたるインタビューだったが、その中で、映画ビジネスに興味を持っていたグスマンが、ペンにハリウッドの映画ビジネスについて詳細に尋ねた場面があったようだ。ただ、ビジネスストラクチャーを聞いた途端に興味を失ったグスマンは、ペンに石油ビジネスに乗り換えるように促したという。

インタビューの中で、ペンの質問に答えて収録された映像の中には、グスマンが幼少期の体験を詳細に語り、人生の中で何度かドラッグに手を出すも、中毒になったことはなく、過去20年以上もドラッグに手をつけていないことも明らかにした。また、警察当局から逃れて生活していることをハッピーだとも表現している。警察当局からの圧力はグスマンにとっては、単なる日常でしかないようだ、とペンは取材メモに書き残している。

道徳面での罪悪感の有無について聞かれたグスマン氏は、「ドラッグが人間を破壊するというのは現実だ。不幸なことに、オレが育った場所には、これしか生き延びる術がないんだよ。今でもそうさ。こんな経済状況でまともな仕事をしていたって生きていけないんだよ。もしオレが死んだところで、同じことさ。ドラッグビジネスの世界に変化は起きないよ。」また、暴力面について聞かれるとグスマン氏は言った。「誰かが儲ければ、そこに嫉妬が生まれ、それが暴力に繋がるんだ。」

ショーン・ペンが言うには、かつて世界で7番目の大富豪になったコロンビアの麻薬王であり、グスマン氏以前に世界で最も悪名高く、警察との銃撃戦の末に命を落としたパブロ・エスコバルの最後について、グスマンは詳しかったという。そのエスコバルについて聞かれ、グスマンは言った。

「オレもいつか死ぬっていうのは分かってるさ。ただ、それが自然な死であることを願うよ。」